BMキャピタルについて考える

BMキャピタル(BM CAPITAL)への投資・運用に興味があるけれど、具体的にどんなファンドなのかよくわからない、きちんと運用されているのかが気になる、といった声を耳にすることがあります。
BMキャピタルのように、自社で募集しているヘッジファンドの場合、公開されている情報が少なく、調べてもあまり詳しい情報が得られないため不安に思うのも当然です。
特に、ヘッジファンドについては、過去に詐欺事件やトラブルをニュースなどで目にしたことがある方の場合、その実態がきちんと把握できないと怪しいのではないかと疑問に思うのも無理はありません。
実際に、お金を集めるだけ集めて運用はせずに、入ってきた資金をそのまま配当として投資家に流しているだけの「ポンジスキーム」のような例もあります。
ポンジスキームとは、新しく得た出資金を既存の出資者(投資家)に配当金として渡すことで、あたかも運用しているかのように偽る詐欺の一種(その際に、投資家にはでっち上げられた虚構の運用報告が送られます)。チャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)という詐欺師の名前が由来。
そこで今回は、注目ファンドであるBMキャピタル(BM CAPITAL)について、ファンドの概要(運用方針・戦略やパフォーマンス、最低投資金額など)を解説しつつ、このファンドが本当にきちんと運用をしているのか、その実態を詳しく調査していきたいと思います。
BMキャピタルのポイント解説
ファンド概要

名称 | ビーエムキャピタル合同会社 |
英名 | BM CAPITAL LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
事業目的 | (1)金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 (2)各種事業への投資 (3)有価証券の自己募集 (4)経営コンサルティング業務 (5)前各号に附帯する一切の業務 |
参考:BMキャピタルHPより
BMキャピタル(BM CAPITAL)について調べていく上で、まずは要点となる以下の3つのポイントから確認していきましょう。
- 投資戦略・運用方針
- パフォーマンス
- 最低投資金額
投資戦略・運用方針
BMキャピタル(BM CAPITAL)は「資産を守る(損失を出さない)」ということを第一に、リスクを抑えた運用の中で成果を追求することをファンドの基本方針としていることがHPからわかります。

参考:BMキャピタルHPより
リスクを取ってガンガン大きなリターンを狙うのではなく、着実に運用していく中で、確かなチャンスをものにしていく運用方針のようです。
また、その「資産を守る」という運用方針を達成するための戦略として、「バリュー投資」を軸に投資先の選定、運用をしているようです。
バリュー投資は、会社の価値(=value)に着目し、資産価値に対して割安な株式に投資することで、値下がりするリスクを排除する考え方で、まさに「資産を守る」という方針に非常に適しています。
運用方針と投資戦略の整合性も高く、BMキャピタルがきちんとした運用をする高い専門性のある組織であることがわかります。
投資の世界には様々な理論や手法がありますが、BMキャピタルも採用している「バリュー投資」は、株式投資において最も基本的でありながら、まさに王道とも呼べる非常に由緒ある金融理論です。
チャートの上げ下げを追いかける「テクニカル分析」と対をなす、「ファンダメンタルズ分析」の一種に分類され、世界的な投資銀行や公的な金融機関なども主にファンダメンタルズ分析によって運用をしています。
個人レベルの投資家の場合、テクニカル分析による、いわゆる「デイトレード」に終始するしかありませんが、時間や労力をかけて正しい知識と理論に基づいたファンダメンタルズ分析(バリュー投資)でなければ、長期的な資産形成はできないと言われています。
パフォーマンス
「損を出さない」ことを基本方針としているBMキャピタル(BM CAPITAL)ですが、加えてバリュー投資を軸とし、「短期的な株価の乱高下に一喜一憂しない」というポリシーも併せ持っています。
バリュー投資には、割安な銘柄に投資し、株価が下がるリスクを回避する一方で、利益が得られる(=株価が上がる)までに時間がかかるという特徴もあります。
そんなバリュー投資を基本戦略に据えているBMキャピタルのパフォーマンスは以下のようになっています。

参考:BMキャピタルHPより
リターンが得にくいとはいえ、年平均で10%以上、直近4年間で資産価値2倍以上という、素晴らしい成績を修めているようです。
長期的に運用して資産形成を目的としているのであれば、このパフォーマンスは十分すぎます。
長期的に着実な資産形成をするために最適なパフォーマンス(利回り)については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
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そして、最も注目するべきポイントが「過去にマイナスになった年が無い」という成績です。
いくら、バリュー投資を軸にリスクを抑えた運用をしたとしても、完全に損失を回避するのは並大抵のことではありません。
加えて、コロナショックで株価が20%以上も大暴落した、2020年の初頭でさえ、プラス圏で運用していたというのだから驚異的です。
おそらくBMキャピタルは、バリュー投資だけでなく、あらゆる可能性を考慮して様々なリスクヘッジの手法を駆使しているのだと考えられます。
コロナショックで、一度株価が大暴落して以降、日経平均は大きな回復を見せ、2021年に入っても、高値を更新し続けています(2021年2月15日にはついに3万円台に突入しました)。
株価の上昇に喜んでいる人も多いのかもしれませんが、これは単純な景気の回復などではなく、様々な金融政策によってもたらされている仮初の株価だという見方が金融業界全般の見識です。
つまり、中身のない株価は、今後大きく崩れる可能性も高く、安易に目先の利益に飛びつくと痛い目を見る危険性があるということになります。
このように株式市場全体が、不安定で不透明なときこそ、BMキャピタルのようにリスクを回避した運用を重視するべきなのかもしれません。
最低投資金額
BMキャピタル(BM CAPITAL)は自社募集で出資者を集めているため、投資家の数が制限されており、必然的に一人当たりが投資する金額も高くなります。
私募のファンドが、最低出資金額を高く設定しているのは一般的です。
BMキャピタルの場合は「1,000万円」を最低出資金額として設定しているようです。
ヘッジファンドとして決して高くはないですが、誰でも簡単に手が出せるものではない点には注意が必要です。
BMキャピタルの投資実績
このように、運用の面で秀でたBMキャピタル(BM CAPITAL)ですが、自社募集であり情報が公開されている情報も少ないため、「本当にきちんと運用しているのか?」「怪しい、詐欺ではないのか?」と疑問に感じる人もいるようです。
BMキャピタルのように数十億円単位の資金を運用している場合、投資先の企業の大株主となっているケースも十分に考えられます。
そこで、BMキャピタルについて実態を調査するべく、「EDINET」で社名を検索してみました。
「EDINET」とは、金融庁が管轄する「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことです。
有価証券報告書や有価証券届出書、大量保有報告書等の開示書類にを、ネット上で誰でも簡単に検索・閲覧することができます。
EDINETで検索したところ、3社の四半期報告書の中で大株主として名前が上がっていることが確認できました(※2021年2月18日時点)



この結果からも、少なくともこの3社に投資をしていることは確実であり、きちんと運用しているファンドとしての実態があることがわかります。
BMキャピタル(BM CAPITAL)は、きちんと運用している実績・実態のあるファンドであり、詐欺などではないことが確認できました。
ヘッジファンドについて詳しく知るには
ここまでで明らかになったBMキャピタル(BM CAPITAL)についての情報をまとめてみましょう。
- 「資産を守る」鉄則の元、損失を出さないように運用するという基本方針
- リスク回避に最適な「バリュー投資」が基本戦略
- 低リスクながら「年10%」という安定したパフォーマンス
- 最低出資金額は1,000万円
- 金融庁管轄のEDINETで公開されている報告書にも大株主としての名前があり、運用している実態がある
BMキャピタル(BM CAPITAL)が、きちんと実態のある、実際に運用がされているファンドであることが確認できたとはいえ、細かいパフォーマンスや手数料、ファンドマネージャの経歴などの情報は、ネットでは確認できませんでした。
BMキャピタルのように、自社で募集しているファンドについて詳しく知るためには、直接問い合わせをして資料を開示してもらい、話を聞くしかありません。
BMキャピタルのHPにも、問い合わせフォームが用意されており、そこから連絡することもできるようになっています。少しでも興味のある人は、ぜひ一度問い合わせをしてみて、運用について相談してみるとよいでしょう。