資産運用

ヘッジファンドの選び方 – 1,000万円を運用するなら知っておきたいポイント –

高額運用に適したヘッジファンド

資産運用の方法は様々ありますが、1,000万円を超えるような高額資産を運用する場合、やはりヘッジファンドがおすすめです。

ヘッジファンドとは

ヘッジファンドは、投資によって利益を追求する資産運用専門の金融機関です。

投資のプロであるファンドマネージャ率いる運用チームによって、高度な専門性を駆使し、理論的で再現性の高い運用によって、着実な運用成果を積み上げることを目的としています。

 

基本は、ファンドの関係者やクチコミ・紹介者などから出資を募集し、運用資金を調達しますが、一般投資家からの出資も受け入れているものもあります。

 

ヘッジファンドは、富裕層や資産家だけでなく、多くの一般投資家からも指示を集めており、ここ最近になってますます評価が高くなってきていますが、そのポイントはどこにあるのでしょうか。

まずは、ヘッジファンドが評価されるポイントから整理していきましょう。

ヘッジファンドで運用するメリット

ヘッジファンドが評価されるポイントは

  • 安定して高いパフォーマンス
  • 手間のかからない運用スタイル

ヘッジファンドが多くの投資家に評価される最大のポイントは、なんといってもそのパフォーマンスの高さでしょう。

投資のプロに資産を預けて運用を依頼することになるので、手数料が引かれはしますが、以下のデータによると手数料控除後で、10年で約2倍=年7%(PEファンドの場合は、10年で約3倍=年11%)ものリターンを記録しています。

出典:日銀レビュー 最近のプライベート・エクイティ・ファンドの増勢について

 

また、ヘッジファンドの場合は、相場・市況に関係なく、パフォーマンスが安定している点も優れています。

 

中長期的な運用を考えた場合、1990年代のバブル崩壊や、2000年代のITバブルの崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、10年単位で訪れると言われている暴落のタイミングを避けることはできません。

金融の世界ではこれを「コツコツドカン」と言ったりもします。
※10年かけてコツコツ株価を上げて、定期的にドカンと暴落(=価格調整)が入ること

 

相場からの影響を最小限にコントロールし、リスクを抑えて着実に成果をコントロールできるのもヘッジファンドの大きな強みの1つです。

 

そして、もう1つヘッジファンドが評価されるポイントに「運用にかかる手間が少ない」というポイントがあります。

もちろん、ヘッジファンドの運用チームは、膨大な時間と労力をかけて企業調査や市場の分析などを行っていますが、その「運用にかかる時間と労力」をファンドが担ってくれる分、投資家の負担が小さい点は見逃せません。

 

ほとんどの方には日々の仕事があり、生活があります。

そんな中で、投資のための時間(企業の調査、市場の分析、株価の評価、売買の判断 etc.)を毎日何時間も割くのは簡単なことではありません。

 

もちろん、あまり時間をかけずに簡単に売買することもできますが、徹底的な調査によって裏付けられていない投資で、長期的に安定した成果を得ることは非常に難しいでしょう。

 

そんな投資にかかる時間や労力を抑えることができるのも、ヘッジファンドでの運用に人気が集まる理由の1つです。

 

ヘッジファンド選びの3つのポイント

そんなヘッジファンドですが、最近は個人投資家でも手が出るようなファンドも増えてきています。

一概に「ファンドで運用したい」と思ったところで、どのファンドを選んだら良いか迷ってしまう方も多いでしょう。

 

そこで、ここでは数あるヘッジファンドについて「ここを押さえておけば安心だ」というファンド選びのポイントを3つに絞って解説していきたいと思います。

ファンドを選ぶ・評価するときにチェックするべきは、

  • パフォーマンスとリスク
  • 投資戦略・運用方針
  • 出資条件

の3つです。

パフォーマンスとリスク

ヘッジファンドを選ぶ際に、誰しもが最も気にするのがそのファンドのパフォーマンスです。

もちろん運用の成果であるパフォーマンスやリターンが高ければ高いに越したことはありませんが、不必要に高いリターンはリスクの高い運用をしている場合もあります。

 

不要なリスクを避け、適度なリターンが期待できるファンドを選ぶようにしましょう。

 

もう一つ、ファンドの実力を判断するときに注意しなければいけないのは、そのファンドの「運用リスク」です。

金融において、リスクとは「不確実性」のことを指します。

 

つまり、そのファンドのパフォーマンスがどの程度安定していて、再現性が高いかを確認することが重要なのです。

 

同じ「平均年10%」の運用成果でも、「年9~11%前後をキープしているもの」と「+50%のときもあるけれど、-30%のときもある」ファンドでは、当然前者の方が圧倒的にリスクが小さく、優れています。

 

また、その運用成果がどの程度継続して達成されているのかも注意が必要です。

2,3年しか運用実績がない場合、高いパフォーマンスが出ていても、単にラッキーかもしれません。もしくは、下げ相場を経験しておらず、ただ有利な状況で戦っていただけかもしれません。

 

表面的な数字だけに左右されることなく、そのパフォーマンスの実態ついて、過去の値動きの幅や、トラックレコードも合わせて確認するようにしましょう。

 

投資戦略・運用方針

ヘッジファンドのパフォーマンスと合わせて確認するべきポイントは、そのファンドがどんな運用をしているのか、どんな方針で運用しているのかという、ファンドの戦略やポリシーです。

 

どんなパフォーマンスを残していても、そもそもそのファンドの運用方針や戦略がそれにマッチしていなければ、いつ状況が変わってもおかしくありません。

 

一般的な投資家の場合、多くの方にとって「長期的に安定した運用」がおすすめです。。

そのファンドのこれまでの実績(パフォーマンス)が安定していることも重要ですが、そのファンドの運用方針が合っているのかもそれ以上に重要です。

 

投資の方法は様々ありますが、長期・安定運用に適しているものとそうでないものは様々あります。代表的なものを以下に整理しておいたので、興味のある人はぜひ参考にしてみてください。

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投資対象 国内株式、不動産、小型株、割安株 FX、外国株式、大型株、成長株
運用手法 ファンダメンタルズ分析、バリュー投資、ESG投資 テクニカル分析(チャート分析)、スイングトレード、レバレッジ運用

 

出資条件

最後に見落としてはいけないポイントは出資の条件です。

出資の条件には「最低出資金額」「ロックアップ期間」の2つがあります。

 

まず初めに、ヘッジファンドは「最低出資金額」を設定しているので、それをクリアできる必要があります。

最低金額のラインはファンドによって様々ですが、小型のファンドでも数百万円〜1,000万円、PB(プライベートバンク)などで紹介されるようなファンドの場合、億を超えるものも珍しくありません。

ご自身の運用計画・予算に合ったファンドを選ぶようにしましょう。

 

もう1つ注意しなければならないのは、ヘッジファンドの「ロックアップ期間」です。

ヘッジファンドでは、ファンドごとにロックアップ期間が設けられており、いつでも入金や解約ができるわけではありません。

 

期間の長さはファンドごとに様々ですが、最低でも1〜数ヶ月、長いものだと年単位の場合もあるので注意が必要です。

一度預けた資金は、しばらくの期間手元に戻すことができないので、そのことを考慮した上で、運用に充てる資金を考えなければいけません。

 

また、出金・解約については、何かしらの条件が設定されているファンドもあるので注意が必要です。

預けている資金の一部しか一度に解約できなかったり、事前の連絡が必要だったりと、なかなか解約することができないファンドもあるので注意しましょう。

 

ヘッジファンドを見るときの注意点

ここまで見てきたように、ヘッジファンドを選ぶ際には

  • パフォーマンスとリスク
  • 投資戦略・運用方針
  • 出資条件

の3点が重要でした。

 

最後に、多くの投資家が気にする「手数料」についても考えてみましょう。

 

ほとんどの投資家は、初めにファンドごとの手数料を比較し、手数料の高いファンドを嫌います。

ですが、資産運用において、ファンドに何%取られるのかという手数料は、決して重要ではありません。

 

ファンド選びにおいて最も重要なのは「何%リターンが還元されるのか」です。

ファンドがどれだけ高い手数料を設定しようと、利益を得ていようと、投資家の利益には関係ありません。

 

手数料が低いファンドを選んでも、運用のパフォーマンスが低く、リターンが得られないのであれば何の意味もありません。

 

繰り返しになりますが、ヘッジファンドを選ぶ際に重要なのは

  • パフォーマンス:どの程度のリターンが期待できるのか
  • リスク:そのリターンがどの程度確実に期待できるのか
  • 投資戦略:ファンドの運用方針が、求めるものと一致しているか
  • 条件:運用資金や期間が、ご自身の状況や計画にマッチしているか

です。

ヘッジファンドでの運用を検討する際には、これらの点に注意して選ぶように心がけましょう。