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資産運用で重要な「リスクヘッジ」
資産運用で最も重要なポイントは、高いリターンを得ることでも、大きく儲けることでもなく、「いかに安定して運用するか」です。
短期的に、一時的に高いリターンを得ることができたとしても、それを長く継続することができないのであればまったく意味がありません。
少しずつでもいいので、コツコツと確実に運用し続けることが最も重要であり、長く安定して継続することでいずれ大きな資産を築くことができます。
個人の資産運用であれば、年5%で安定して運用できれば、長期的に十分すぎるほどの資産を築ける試算になります。
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運用の成果を安定させるために重要なのが「リスクヘッジ」ですが、実はこれが簡単ではありません。
今回は、堅実な運用をするということで評価の高いヘッジファンドの投資手法を参考に、具体的なリスクヘッジの手法について考えていきたいと思います。
堅実な運用で評価の高いヘッジファンドを参考にする
運用が安定しているヘッジファンドの代表として、ここではBMキャピタル(BM CAPITAL)の投資戦略・手法を参考にしたいと思います。
BMキャピタルとは
名称 | ビーエムキャピタル合同会社 |
英名 | BM CAPITAL LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
事業目的 | (1)金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 (2)各種事業への投資 (3)有価証券の自己募集 (4)経営コンサルティング業務 (5)前各号に附帯する一切の業務 |
参考:BMキャピタルHPより
BMキャピタル(BM CAPITAL)は「資産を守る、損失を出さない」ということを投資哲学に運用しているヘッジファンドです。
参考:BMキャピタルHPより
「バリュー投資」という投資手法を軸に運用していますが、その投資哲学の通り、「過去にマイナスになった年が0回」という素晴らしい成績を修めています。
「バリュー投資」については、後ほど詳しく解説します。
参考:BMキャピタルHPより
運用が安定しており「損をしていない」という堅実さがある一方で年平均10%以上という十分すぎるリターンも併せ持っているところは、さすがのヘッジファンドです。
そんなBMキャピタルを参考に、リスクを抑えて確実に運用する方法について考えていきたいと思います。
リスクを抑える3つのポイント
投資・運用においてリスクを抑える方法は様々ありますが、ここでは以下の3つの重要なポイントに絞って詳しく解説していきたいと思います。
- 割安株
- 分散投資
- 為替リスク、レバレッジ
割安株に投資する
株式投資で損をしないようにするためには、値下がり・値崩れしない銘柄に投資することが重要です。
短期的な波はあっても、長期的に値下がりする可能性が低い株を買うことができれば、損をする可能性を最小限にすることができるためリスクの軽減になります。
株を選ぶ基準は様々あります。
多くの人はついつい最新の業績やニュースなどを気にしがちです。黒字だ赤字だといった話や、新技術・新サービスのプレスリリースなどを頼りに「株価が上がるか?下がるか?」と考えてしまいます。
あるいは、金利の影響などを考慮する人もいるかもしれません。
もちろん短期的な値動きを考えるにあたっては間違ってはいませんし、重要なポイントではありますが、ここではさらに一歩踏み込んで会社の「価値」について考えてみましょう。
会社の価値から逆算した適正株価が1,000円の銘柄があったとしましょう。
その株が現在市場で1,500円で取引されていた場合、業績が良くなったからといって単純に1,510円、1,520円と上がるとは限りません。
すでに十分割高な株の場合、値下がりすることも十分に考えられます(※この場合は1,000円まで値下がりしても決して不思議ではありません)
一方で、価値に対して割安な株価の場合、業績によって短期的に株価が上下することはあっても、長期的には適正価格まで戻る(=上がる)可能性が十分にあります。
このように会社の価値(value)に着目し、割安な株式に投資する方法を「バリュー投資」と言います。BMキャピタルの投資手法も、このバリュー投資がベースになっています。
一言に会社の「価値」と言ってもそれは簡単に目に見えるものではありません。
最もメジャーで簡易的な指標は「PBR(株価純資産倍率)」でしょう。
PBR(株価純資産倍率)は
・PBR=株価 ÷ 1株あたりの純資産
で求められます。
PBRの値が小さいほど割安であり、簡単に確認できる指標の1つではありますが、会社の価値の見積もり方はそんなに単純なものではありません。
一般的には決算報告書のBS(貸借対照表)の情報が参考になりますが、そのまま簿価の資産や負債、純資産の値をそのまま見るだけでは不十分です。
優秀なヘッジファンドは、BS上に記載されている在庫や仕掛金の価値を再検討し、不動産や設備の価値を独自に見積もります。
また、売掛金や負債についても金利や返済期間、借入先の経営状況まで考慮し、真の資産価値に換算して考慮します。
この「独自の資産価値の算出」こそがバリュー投資のキモであり、簿価に表れない本当の価値をいかに正確に見積もることができるかが、運用の実力になります。
分散投資する
2つ目のポイントは「分散投資」です。
1,2個のごく少数の銘柄に投資するのではなく、複数の銘柄に投資することで、ある株が暴落したとしてもその損失を限定的にするリスクヘッジの王道です。
リスク回避の方法として知っている人も多いかもしれません。
一見するとたくさんの株式に投資すればよいだけの簡単な方法にも思えますが、実は分散投資はそんなに単純なものではありません。
例えば、トヨタとホンダは同じ自動車業界なので、同じような理由で同時期に同じように株価が上がったり下がったりする可能性があります。
分散投資をするには、多種多様な銘柄を上手く組み合わせてバランスの良いポートフォリオを組まなければいけません。
- 輸出企業と輸入企業を組み合わせると、円安と円高のリスクをヘッジできます。
- 原油価格が上がることで業績が良くなる業界と悪くなる業界でもバランスは取れます。
- コロナが収束しなければ医療や宅配などの業界が好調を維持するでしょうが、収束すれば飲食やレジャー産業が回復する可能性が高くなります。
- 同じ業界でも、ライバル企業であれば、片方が伸びている時にもう一方は顧客を奪われているかもしれません。
このように、様々な要素を考慮し「何のリスクをヘッジするのか」を考えた上で複数の銘柄を組み合わせてポートフォリオを組んだ分散投資が重要です。
リスクヘッジの観点から分散投資は重要ですが、あまりにも数が増えすぎると資産形成の観点から意味がなくなってしまうため注意が必要です。
かの有名な投資家、ウォーレン・E・バフェットも「分散投資は富を守り、集中投資は富を築く」と言っています。
一般に分散投資の目安は片手で数えられる程度(3~5銘柄)と言われています。
10も20もの銘柄に投資してしまうと、利益を得るチャンスも逃してしまいますし、そもそもそんなにたくさんの会社を調査・分析するのは現実的ではありません。
為替リスクやレバレッジを回避する
3つ目のポイントは「為替リスク」と「レバレッジ」です。
投資信託などでも「為替リスクあり・なし」などの種類がありますが、為替リスクのあるものには注意が必要です。
またレバレッジをかければ、少ない資金で多額の運用をすることができるので、一攫千金のチャンスがありますが、一方で大損失のリスクも高くなります。
「為替リスク」と「レバレッジ」の2つのポイントには十分注意が必要ですが、この2つを活かして運用するのがFXです。
FXはリスクを抑えた運用と対極にあり、ハイリスクな一方で莫大な利益を手にする人がいます。
ハイリターンな運用には、相応の高いリスクがつきもなので、目先の利益に惑わされないように十分に注意しましょう。
リスクを抑えた運用を実践する方法
ここまで見てきたリスク回避の方法をまとめると以下のようになります。
- 資産価値に裏付けられた割安株に投資する(=バリュー投資)
- 分散投資で適切なポートフォリオを組む
- 為替リスクを回避し、不要なレバレッジはかけない
ポイントとしては難しい話ではありませんが、実際にこれらを実践するのは簡単ではありません。会社の財務や会計を読み解く知識や、金融のノウハウが必要になります。
低リスクで安定した運用を実践したいのであれば、低リスクで運用しているヘッジファンドに預けてしまうのが、最も手っ取り早く、また確実な方法でしょう。
先ほど紹介したBMキャピタル(BM CAPITAL)などはバリュー投資を軸にしており、まさにその代表格です。
またBMキャピタル以外にも、ヘッジファンドは色々と存在します。
どのファンドも「リスクを抑えて」「高いリターンを」と銘打っている場合が多いですが、実際の運用の内容が伴っているかは、ご自身の目で確かめてみてください。
銘柄選定の基準(成長企業にベットする or 割安な株に投資する)や、ポートフォリオのバランスなどは、情報を開示していなかったり、専門的で難しい部分もありますが、「為替リスク」「レバレッジ」などは簡単に確認することができます。
ヘッジファンドを比較・検討する際には、是非ここで紹介した3つのポイント(割安株、分散投資、為替リスク・レバレッジ)について確認してみてください。